「蝗」について
漢語の「蝗」(こう)は、日本で呼ばれるイナゴを指すのではなく、トノサマバッタやサバクトビバッタなど限られた種のバッタが大量発生などにより相変異を起こして群生相となったものを指し、これが大群をなして集団移動する現象を飛蝗、これによる害を蝗害と呼ぶ。日本ではトノサマバッタが蝗、即ち群生相となる能力を持つが、日本列島の地理的条件や自然環境では殆どこの現象を見ることはない。わずかに明治時代、北海道開拓に伴う資源環境の破壊により起きたもの、1986年に鹿児島県の馬毛島で起きたものなどが知られるくらいである。
日本人にとって殆ど実体験のない「蝗」が漢籍により日本に紹介されたときに、誤解により「いなご」の和訓が与えられ、また、ウンカやいもち病による稲の大害に対して「蝗害」の語が当てられた。
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