帝国貴族である諸侯の領地である有人星系すなわち邦国(アイス)、その領民政府には、いくつかの義務がある。
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領主や帝国との交渉役である「領民代表」を選出すること。一応は邦国のトップの立場である人間が望ましいが、帝国はそこまでは干渉せず、純然たる交渉役でも構わないようである。ただし帝国の側では領民代表を邦国のトップとみなして扱う。方法は、領民が認めるものであれば問わない(既存の政府主席、世襲の王、選挙、指名、くじ等何でもよい)。ただし、あからさまに帝国に叛逆の意志を示す者や、何らかの理由で領主が拒否する者は認められない(領主は拒否権を持つ)。領民代表の地上世界側での呼称は自由。「大統領」や「首相」等は無論、「皇帝」を名乗ろうとも、帝国はそれに関与しない。独立国としての体裁を保つ目的で(帝国を外交相手である外国とみなして)「外務大臣」と称しても構わない。変わったところでは、アーヴを機械と定義した上で、領民代表をその「保守責任者」と称する地上世界もある。
平面宇宙航行の可否を問わず、星系間を航行できる宇宙船(メーニュ)の所有は一切禁止。領民個人はもちろん、領民政府であっても所有は認められない(アーヴですら宇宙船の個人所有は認められておらず、帝国所有のものを借り受ける形である)。ただし、星系内の航行のみに限定されたものであれば、所有可能。
帝国星界軍の募集事務所(バンゾール・ルドロト)の設置。領民の星界軍への参加は、強要による徴兵ではなく、本人の自由意志による志願が原則であり、領民政府や領民代表もこれを妨げてはいけない。ただし、星界軍に入隊しないようにというプロパガンダを行う程度なら黙認されている。なお、募集事務所では志願兵の受付のほか、移民を募集する他の邦国や家臣を募集する領主、帝国の官僚機構等への人材斡旋も行う。募集事務所を通さない星系間での移民は、原則として禁止されている。
帝国星界軍(ルエ・ラブール)の組織
帝国成立期のアーヴは小型の高機動戦闘ユニットを主戦力としており、当時の職名が階級名としてジントたちの時代になっても使われている(ただし、千翔長以上は組織の拡大に伴って創設されたもの)。
勅任翔士(セドラリア) 元帥・将官に相当する。
帝国元帥、星界軍元帥は飛翔科のみ。その他の兵科は元帥(スペーヌ)ないし大提督が最高階級。
帝国元帥(ルエ・スペーヌ)
飛翔科のみ存在する、最高位。皇族がこの階級に達した場合に皇太子となり、帝国艦隊司令長官に親補される。それまでの皇太子は皇帝になり、それまでの皇帝は上皇(ファニーガ)になる。
かつては皇帝が「帝国元帥」にして帝国艦隊司令長官を兼務したが、現在では皇太子がその任にあたる。統帥権は皇帝が有するが、象徴的なもので軍令に指図することはない。
星界軍元帥(スペーヌ・ラブーラル)
複数の戦線でそれぞれ艦隊集団規模の戦力を動かす場合は「星界軍元帥」が副司令長官として、そのうちのひとつの前線指揮を執る。
大提督(フォフローデ)
艦隊司令官職の階級。
提督(フローデ)
艦隊司令官職の階級。
准提督(ロイフローデ)
分艦隊司令官職の階級。
千翔長(シュワス)
戦隊司令官職の階級。当階級以上で、両翼頭環(アルファ・マブラル)の着用が許される。
奏任翔士 佐官・尉官に相当する。
この階級は、初期の星界軍の艦隊編成に由来する。小型の高機動戦闘ユニットはダイヤモンド型の4機編成を基本としており、その役割に由来する。星界の紋章の時代には高機動ユニットは過去の兵器であり、階級と役職は乖離している。
百翔長(ボモワス)
元は100機から200機ほどの高機動戦闘ユニットの長。片翼頭環(アルファ・クラブラル)の着用が許される。
副百翔長(ロイボモワス)
元は百翔長の補佐。当階級も、片翼頭環の着用が許される。
十翔長(ローワス)
元は10機の高機動戦闘ユニットの長。ダイヤモンド型4機編成の2隊(計8機)プラス2機を束ねる。
前衛翔士(レクレー)
元はダイヤモンド編成の前方担当。ダイヤモンド4機編成の長。
後衛翔士(リニエール)
元はダイヤモンド型編成の後方担当。ダイヤモンド4機編成の副長。
列翼翔士(フェクトダイ)
元はダイヤモンド型編成の左右担当。
翔士修技生(ベネー・ロダイル) 士官候補生に相当する。
従士(サーシュ) 下士官・兵に相当する。
最先任従士長(ボアルム・ウェサーシュ)
先任従士長(アルム・ウェサーシュ)
従士長(ウェサーシュ)
一等従士
二等従士
三等従士
四等従士
一等錬兵
二等錬兵
原則的に従軍したアーヴはすべて翔士となり、従士には国民がなる。翔士に昇進した国民は士族として扱われる。なお、士族の説明にある通り、著しい功績等により特に高い階級に昇進した場合、国民出身であっても一代限りの貴族爵位や、さらに領地を賜って世襲の貴族(正式の貴族)にまで昇格することもある。
従士と翔士を総称して軍士(ボスナル)という。
軍隊における階級呼称一覧も参照。
操艦・砲術などを担当する飛翔科翔士(ロダイル・ガレール)になれるのは、生物学的なアーヴだけである(帝国では、平面宇宙航行機能を持つ宇宙船はすべて空識覚に基づく、制御籠手(グーヘーク)を介した操縦を前提としているため)。
かつては地上軍が存在したが、帝国創建から程なく帝国史上最大の内乱「ジムリュアの乱」を起こしたために解体され、空挺科として星界軍に組み込まれた。
その他の兵科には軍監科(作戦参謀)、主計科(補給・医療などの後方参謀)、軍匠科、軍医科、技術科、警衛科、法務科、看護科などがある。
上記の通り奏任翔士の階級は役職と乖離しているため、星界の紋章の時代においては階級とは別に、各艦の艦橋要員について以下の職名が存在する。
艦長(サレール)
艦全体の最高責任者。乗組員を指揮し、司令官からの上意下達や、作戦行動の指示などを行う。小型艦である突撃艦では突撃艦長(マノワス)であり、砲術士を兼任することもある。
艦長席の後方には、必ず艦長の氏族の紋章旗を掲げ、また航行日誌や戦闘状況などを記録する「思考結晶(ダテューキル)」を管理する。
通常、突撃艦や護衛艦などの小型艦では十翔長、襲撃艦や巡察艦、戦列艦などの大型艦では副百翔長以上がおもに担当する。
副長(ルーセ)
艦長を補佐する。多くの場合、航法士や砲術士を兼任する。通常、大型艦では十翔長か前衛翔士が、小型艦では先任翔士として前衛翔士か後衛翔士が、おもに担当する。
航法士(リルビガ)
航法を担当し、平面宇宙での操艦も担当する。空識覚が必須なので、必ず飛翔科の翔士である。小型艦では先任翔士が担当する。当直により艦橋に航法士が不在となることを防ぐため、必ず複数が置かれる(航法士全員が他職と兼任のことも多い)。通常、小型艦では前衛翔士か後衛翔士、大型艦では十翔長か前衛翔士がおもに担当する。
砲術士(トラーキア)
火器管制を担当し、通常宇宙や時空泡内での操艦を担当する。航法士と同じく空識覚が必須なので、必ず飛翔科の翔士である。小型艦では艦長(マノワス)が兼任することが多い。大型艦では十翔長・前衛翔士・後衛翔士がおもに担当する。
通信士(ドロキア)
他の艦艇や宇宙港などとの通信を担当する。小型艦では専任者を置かず、次席砲術士などを兼任することが多い。大型艦では、後衛翔士や列翼翔士がおもに担当する。
監督(ビュヌケール)
機関や艦体などのハードウェアの維持管理に責任を持ち、実働部隊である多くの従士を指揮監督する。軍匠科の翔士で、部下の従士たちから好感を持たれやすい地上出身者が多い。通常、小型艦では列翼翔士、大型艦では十翔長・前衛翔士・後衛翔士がおもに担当する。
書記(ウィグ)
燃料や弾薬、食糧や衣服、医薬品など、艦に必要な資材や消耗品、什器類の調達と管理や、艦内環境の維持管理、乗組員の健康管理、福利厚生などに責任を持つ。主計科の翔士。通常、小型艦では列翼翔士、大型艦では十翔長・前衛翔士・後衛翔士がおもに担当する。なお、戦闘中は本来の職務がないので、監督(戦闘中は機関関係に集中する必要がある)を補佐し、艦体の状況(被弾箇所など)の把握や気密隔壁の制御などを行う。
艇指揮(ボノワス)
連絡艇や短艇などの、搭載艇の操縦士。搭載艇を使用する際、乗員の飛翔科翔士の中から艦長や副長が任命する。
星界軍(ラブール)の装備
艦艇
巡察艦(レスィー)
攻撃・防御・機動力・機雷戦ともにバランスの優れた大型艦。ビルシュ級、ロース級、更に最新鋭のカウ級が存在する。非常に強力な艦種であり、全軍を巡察艦で編成するべきとの意見もあるが、費用対効果等の問題もあり実際の配備数は少ない。なお皇帝の座艦「ガフトノーシュ」は最新鋭の巡察艦を当てるのが慣例になっている。
おもな装備は強力な電磁投射砲と少数の機雷。ゴースロスには防御及び近接戦用に可動凝集光砲と可動反陽子砲が装備されていたが、可動反陽子砲は威力と連射性が中途半端らしく、後述する襲撃艦では可動凝集光砲のみに統一された。おもな任務は、強行偵察と敵艦隊に致命傷を与えるための突撃(蹂躙戦)。
突撃艦(ゲール)
機雷を持たない小型艦で、機動力を最重要視した艦であるが、それだけに装甲が薄いので打たれ弱く、火力も貧弱である。防御機雷戦ができないので、防御用可動凝集光砲などを装備してはいるが、機雷攻撃に対しては脆弱である。また、非力な突撃艦の主砲(反陽子砲)では防御磁場を展開した大型艦の装甲に大きなダメージを与えられないため、大型艦に立ち向かうためには数を揃えて集中砲火を浴びせる戦術が取られる。
作中では巡察艦等の大型艦へと艦隊の主力が移りつつあり、非力で大型艦に対抗しきれない突撃艦は徐々にその地位が低下している(アーヴは突撃艦より大型の襲撃艦を配備しつつあり、統合体では突撃艦を減らして巡察艦を増強しつつある)。現在、ロイル級とガムフ級が確認されている(短編『着任』には“コーヴ級突撃艦”との記述があるが、これは作者がロイル級と間違えたものと思われる)。
護衛艦(レート)
機雷迎撃用可動砲を多数装備し、機雷を撃滅する。機雷には強いが、突撃艦には弱い。機雷の迎撃に真価を発揮するが艦自体の攻撃力は低めなため、突撃艦部隊などと組み合わせて運用される。船体の規格は突撃艦のものを流用しており、おおよその大きさは突撃艦とほぼ同等である。
戦列艦(アレーク)
機雷戦専門の艦。サイズ的には巡察艦を上回る超大型艦で、胴体部に機雷を多数格納している。平面宇宙の戦闘では主力艦の地位を占める。弱点は機動力の低さ。また、雷撃を突破されるか機雷を撃ち尽くして巡察艦等の接近を許すと、防御用火砲を装備してはいるものの一方的な蹂躙戦を許しがちである。ソーフ級が存在する。
襲撃艦(ソーパイ)
『戦旗III』で登場する新鋭艦で、『紋章』には登場しない。現在はコーヴ級が存在する。期待される役割は突撃艦に近く、そもそも時代遅れとなりつつある突撃艦の後継として開発されたものだが、テクノロジー的には機雷を抜いた巡察艦のようであり、重突撃艦と呼ぶべきか、軽巡察艦と呼ぶべきかの大議論の末、襲撃艦と命名されるに至った。襲撃艦という名が決まった後も軍士の間では議論が続き、しばしば殴り合いにまで発展することがある。主砲には電磁投射砲を採用し、突撃艦をはるかに凌ぐ火力を誇り、無数に装備された可動凝集光砲で護衛艦の担っていた機雷迎撃もこなす。実戦配備は途上である。
過去に存在した艦種(高機動戦闘ユニット他)
ジントたちの時代には既に時代遅れとなり存在しないものとして高機動戦闘ユニットがある。いわゆる単座式の宇宙戦闘機と思われる。また、高機動戦闘ユニットを運用する為の空母も存在した。星界軍の初期には主力を勤めたが、後に平面宇宙を自立航行可能な機雷が出現して敵機の迎撃や敵艦への攻撃をこなす様になったため、淘汰されたと考えられる。同様に空母も機雷を多数搭載する戦列艦にとって変わられている。しかし、星界軍の階級名はこれらの兵器が主力であった時代のものを慣習として引き継いでおり、士官を意味する"翔士"という言葉も本来は高機動戦闘ユニットのパイロットの称号である。
輸送艦(イサーズ)
資材・補給物資の輸送艦。攻撃力はなきに等しい。機雷戦も不可。質量も戦闘艦とは比べ物にならないほど大きく、そのぶん機動力は極めて低い。ただし、高い機動力を求められる巡察艦中心の偵察分艦隊に随伴するタイプは小柄で、機動力も高い。また、惑星への降下及び離脱が可能な強襲輸送艦(ルソーミア)も存在する。
連絡艦(ロンギア)
平面航行能力を備えた小型の貨客船(レビサーズ)のような構造の艦。情報と共に、貴賓や伝令使を運ぶことが想定されている。
連絡艇(ペリア)
平面宇宙における伝令役を務める小型艇。質量が小さく、快速である。ペリアの語源は日本語の“パシリ”らしい。
短艇(カリーク)
平面航行能力を持たない小型艦載艇。艦が直接入港できない場合、艦と宇宙港の間での人員輸送に使用される他、艦同士の連絡艇、脱出艇としても用いられる。
救命莢(ウィコー)
艦艇からの緊急脱出用ポッド。制御可能な動力を持たない、いわば宇宙の筏。通常1つが1人用で、生命維持能力は24時間分、わずかな食料と医薬品が備え付けられている。
艦艇の外部に面した通廊などに接して装備されている。ワンタッチのスイッチ操作で迅速に乗り込むことができ、救命莢内側のボタン操作で自動密閉、その後すぐに射出され、艦艇の爆散に巻き込まれないよう速やかに宇宙空間へ離脱する。
射出後は自動的に救命信号を発信し続け、近くの艦艇に救助を求めるようになっている。
艦載砲
機動時空爆雷(サテュス・ゴール・ホーカ)
短く機雷(ホクサス)とも。平面宇宙戦闘に使用される長射程兵器。時空泡発生機関と人工知能を備え、平面宇宙を自力で航行できる。すなわち無人・小型ではあるが宇宙船としての機能を備えており、これ自体が無人・体当たり専門の宇宙戦闘機的な能力を有している。突撃艦などよりはるかに小型・軽量であるため平面宇宙での機動性で大きく優り、これら小型艦艇にとっての天敵とすら言える存在。巡察艦には10発前後、戦列艦には100発近くが搭載されている。平面宇宙戦においては、命中させる以外にも相手の時空泡と時空融合させて質量を増やし行き足を遅らせるといった付与効果もある。統合体では新型の多弾頭機雷が開発されており、休眠状態にして放てば待ち伏せ攻撃も可能。また、『戦旗』では人民主権星系連合体が小型艦艇(おそらく突撃艦など)と同等の航続距離を誇る“超長射程機動時空爆雷”なるものを実戦配備し、星界軍に苦戦を強いた。
電磁投射砲(イルギューフ)
核融合弾(スピュート)を光速の1%程度に加速して発射する。いわゆるレールガン。破壊力が大きく巡察艦・襲撃艦の主砲に採用され、主に対艦攻撃に用いられる。原理は不明だがある程度の追尾機能があり、その一方で無秩序噴射により敵の攻撃を回避する。
反陽子砲(ルニュージュ)
反物質である反陽子を荷電粒子砲で打ち出す。いわゆるビーム砲。おもに突撃艦の主砲、巡察艦の副砲として用いられる。相手の物質の陽子との対消滅で発生するエネルギーによって分子を崩壊させることで破壊力を得るため、防御力場には阻まれやすい。威力と連射性が中途半端らしく、威力では電磁投射砲に、速射性では凝集光砲に劣る。機雷の迎撃と対艦攻撃の両方に用いられる。
凝集光砲(ヴォークラーニュ)
小型のレーザー砲のこと。物理法則上最速の光子を凝集して射出する(それゆえ弾影がなく、命中点のみが視認できる)。単発の破壊力は低い。ただ、弾体を施設で工業的に生産しなければならない電磁投射砲(核融合弾を使用)や反陽子砲とは異なり、艦船のエネルギーがあればよいので物質弾体の補給の必要はない。速射性・連射性にも優れ、集中砲火すればかなりの破壊力を持つため、主に機雷の迎撃に用いられる。なお、襲撃艦の対空防御装備はこれに統一されている。
個人装備
軍衣(セリーヌ)
軍士が軍務に就く際の標準服。胸部から腹部、足の内側は青灰色、それ以外は濃紺色で、その境界に所属兵科を示す色の縁取りがある。また、縁取りと同色の飾帯をつける。
左胸に、所属兵科と階級を示す階級章をつける。
気密性が高く、与圧兜と併用することで、簡易宇宙服として使用できる。
かつてアーヴの先祖が使用していた船内作業服を元に、改良を重ねたものである。
階級章(レンスィムスィア)
軍衣の左胸につけるワッペン。地色で所属兵科を、また模様の色(金か銀)と、一重または二重の縁取り、星の数で階級を示す。
飾帯(クタレーヴ)
軍衣の上、腰回りに締めるベルト。服を締めるものではなく、銃や手榴弾などの携行装備品をこれに吊すためのものである。所属兵科を示す色のものを着用する。
端末腕環(クリューノ)
左手の甲に着用する、小型の多機能端末。通信や自動翻訳といった機能を持つ。
与圧兜(サブート)
いわゆる気密ヘルメット。これに大気瓶を接続し、軍衣を着用した上で与圧手袋・軍靴も着ければ、簡易宇宙服として機能する。
大気瓶は容量が少ないため、簡易宇宙服による宇宙空間での活動時間は極めて短い。
与圧服(ゴネー)
本格的な宇宙服。宇宙空間で、長時間の作業を行うには必須。収納時はコンパクトになるように、構造が工夫されている。また、与圧が失われた艦内で作業する際にも使用する。
凝集光銃(クラーニュ)
凝集光砲の小型版で、個人で持てるようにしたもの。白兵戦用の拳銃やライフルにも用いられ、出力を落とせば照明としても利用できる。
4ヵ国連合
平面宇宙(ファーズ)での戦闘形態
平面宇宙とは、文字通り2次元の宇宙であり、通常宇宙(ダーズ:3次元)上にあるものが平面宇宙に入る際は、通常宇宙を切り取った「時空泡(フラサス)」を時空泡発生装置によって形成して、3次元を維持しなければならない。また、物理法則も通常宇宙とは異なる。時空泡の移動速度は、内部質量と反比例するなどである(このため、複数の艦艇が時空融合した時空泡で防御しつつ、攻撃に際しては「単艦時空泡」に時空分離して急速接近する戦術が用いられる)。電磁投射砲の砲弾も凝集光も時空泡外では存在できないため、平面宇宙戦闘は、敵味方の時空泡が重なった場合に起こる「時空融合(ゴール・プタロス)」によって発生する。そこでは3次元的な戦闘が行われる。ただし、時空泡発生機関を独自に持つ機雷を使用すれば、時空融合していない遠距離の敵艦を破壊することもできる。
艦隊同士の平面宇宙戦闘は、通常まず多数の機雷を搭載した戦列艦同士での撃ち合いに始まる。しかし機雷は質量が大きく数が限られる上、防御機雷戦(機雷によって機雷を撃破する)や護衛艦による迎撃もある程度可能であるため、機雷のみで敵艦隊を全滅させることはかなり難しいようである。機雷戦の後、一方がダメージを受けるか機雷を撃ち尽くす等して満足に雷撃が行えない状態に陥ると、巡察艦もしくは突撃艦が敵時空泡と時空融合して戦闘をすることになる。戦列艦中心の部隊が巡察艦部隊による突撃を受けると戦闘は一方的な展開となりやすく、これを蹂躙戦と呼ぶ。
上記の戦闘形式は大艦隊同士の戦闘形態であり、小規模な局地戦ではこの限りではない。例えば大質量の機雷を多数搭載する戦列艦には機動力が低いという弱点があり、偵察と奇襲を主な任務とする機動力重視の偵察分艦隊に含むことはできない。偵察分艦隊は戦列艦より機動力の高い巡察艦のみで編成され、敵偵察分艦隊の迎撃には主に突撃艦がその任に当たることとなる。巡察艦と突撃艦の戦闘は、まず巡察艦が機雷を発射して突撃艦の数を減らし、その上で生き残った突撃艦と巡察艦が時空融合して戦う形となる。突撃艦は火力が弱く機雷攻撃にも弱いため、巡察艦を数でかなり圧倒しなければ勝利は難しい。
平面宇宙戦闘で一番問題となるのは、時空泡の中身は、質量でしか判断できないことである。泡間通信ができない場合、時空泡の質量から、経験と勘と運に頼って、敵か味方か、また艦種は何かを判断するしかない。何が出てくるかは実際に時空融合してみないと分からないこと、そして時空泡内の質量にも限界があることで、少なくとも襲撃艦6隻程度の質量が限界のようである(厳密にどの程度かは不明)。もっとも、限界質量に関しては戦旗IVにて明らかにされたため、戦旗IV以前の映像作品(特に戦旗I)との間に矛盾が発生している。なお、限界質量を超えると時空泡は分裂してしまうが、無規則に分裂するためどのような時空泡ができるか予測できず危険である。
平面宇宙と通常宇宙
そもそも、人類が銀河文明を築き得たのは、平面宇宙の発見と、通常宇宙と平面宇宙を繋ぐ「門(ソード)」利用技術の確立によるものである。
通常宇宙と平面宇宙との位置関係は1対1ではない。平面宇宙は通常宇宙の投影ではなく、別個の宇宙である。両空間における位置関係は全くのランダムである。 ただ、「第二形態ユアノン」または「開いた門」(単に「門」とも)と呼ばれる特異空間においては、平面宇宙と通常宇宙は1対1に対応している。ある門から平面宇宙に入って別の門から通常宇宙に出ると、光速以上の速さで移動したと同様の結果となる場合があり、このような「門」と平面宇宙を介した超光速移動のおかげで、人類は通常宇宙の物理法則から解放され、銀河文明を作りえたのである。
なお、ユアノンは常に一定のエネルギーを放出し続ける特殊な素粒子として発見され、人類はこの素粒子が放出するエネルギーを利用する亜光速宇宙船を建造していた(ジントの故郷も、そうしたユアノン推進宇宙船によって植民された星の一つである)。この「第一形態ユアノン」はすなわち「閉じた門」であり、放出するエネルギーは平面宇宙から流入してくるものであった。
戦闘においても、当然「門」は重要な拠点であり、制圧対象である。例えば、機雷を大量に「門」に放てば、防御機雷戦ができない艦隊は、なすすべがない。これは、通常宇宙から平面宇宙に機雷を撃つ場合(時空融合)も、その逆の場合(時空分離)も、真である。